自宅として使っている不動産は、売却時に税制上の優遇を受けられます。
代表的な優遇措置が下記の5つです。
- 3,000万円特別控除
- 10年超所有軽減税率の特例
- 特定居住用財産の買換え特例
- 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
- 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
1・2・3は譲渡益が出た場合(購入時よりも高く売却したとき)、4・5は譲渡損が出た場合(購入時よりも安く売却したとき)の特例です。詳しく解説しています。
1. 3,000万円特別控除
『マイホームを売却したときの譲渡所得が3,000万円以下だった場合、税金が発生しなくなる制度』です。
譲渡所得とは 「売却価格 -(購入価格 + 取得費 + 譲渡費用)」です。
3,000万円特別控除を受けるためには、以下の条件があります。
・「自分が住んでいた」不動産であること。「以前は住んでいたが現在は住んでいない」場合は、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること
・災害によって滅失した家屋の場合は、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
・売った年の前年及び前々年に、同様の特例の適用を受けていないこと。そのほか、「マイホームの買換えの特例」や「マイホームの交換の特例」、「マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例」の適用も含まれる。
・売主と買主の関係が、親子や夫婦、生計を同じくする親族、内縁関係などの「特別な間柄」でないこと。
・別荘などのように趣味・娯楽・保養のために保有していない
参考:No.3302 マイホームを売ったときの特例(国税庁)
この特例は所有期間の長短に関係なく受けられます。マイホーム売却の特例を利用する場合は確定申告しなければいけません。
2. 10年超所有軽減税率の特例
マイホームの所有期間が10年を超えている場合は、3,000万円特別控除に加えてさらに税率が軽減されます。
課税譲渡所得が6,000万円以下の場合
所得税 | 10.21% |
---|---|
住民税 | 4% |
合計 | 14.21% |
課税譲渡所得が6,000万円超の場合
6,000万円以下 の部分 |
6,000万円超の部分 | |
---|---|---|
所得税 | 10.21% | 15.315% |
住民税 | 4% | 5% |
合計 | 14.21% | 20.315% |
この特例は「1.3,000万円特別控除」の特例と併せて適用ができます。
3. 特定居住用財産の買換え特例
マイホームを売って、別のマイホームに買い換えたときは、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができます。
譲渡益に対する課税が繰り延べられるだけで、譲渡益が非課税となるわけではありません。
通常、1,000万円で購入したマイホームを5,000万円で売却し、7,000万円のマイホームに買い換えた場合は、4,000万円の譲渡益が課税対象となります。
特例の適用を受けた場合、売却した年分で譲渡益への課税は行われず、買い換えたマイホームを将来譲渡したときまで課税が繰り延べられます。
買い換えたマイホームを将来8,000万円で売却した場合に、実際の譲渡益1,000万円に特例の適用を受けて課税が繰り延べられていた4,000万円の譲渡益(課税繰延べ益)を加えた5,000万円が、譲渡益として課税されます。
(注)説明を簡潔にするため、減価償却などは考慮していません。画像はNo.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例(国税庁)より
買換え特例を受けるためには、下記のような要件が必要です。
・「自分が住んでいた」不動産であること。「以前は住んでいたが現在は住んでいない」場合は、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること
・対象の物件の所有権が10年、居住期間が10年を超えていること。
・売却価格が1億円以下
・売主と買主の関係が、親子や夫婦、生計を同じくする親族、内縁関係などの「特別な間柄」でないこと。
買い替え特例を実施する場合も、「確定申告」が必要です
この特例は「1.3,000万円特別控除」「2.10年超所有軽減税率の特例」との重複適用はできません。
4. 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
5. 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
『自宅を売って損したとしても、その損分を住民税・所得税から相殺することができる』という制度です。
平成29年12月31日までに住宅ローンのあるマイホームを住宅ローンの残高を下回る価額で売却して損失(譲渡損失)が生じたときは、一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。
新たなマイホーム(買換資産)を取得しない場合であっても適用することができます。
・一定の譲渡損失があること
・現在「自分が住んでいる」不動産であること。
・売主と買主の関係が、親子や夫婦、生計を同じくする親族、内縁関係などの「特別な間柄」でないこと。
・譲渡する年の1月1日現在で所有期間が5年超。
参考:No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)(国税庁)
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